『夜と光』 | ||
どんなことにも、<疑問?>を持つことは良いことです。 「なぜ? ナゼ? 何故?」で、その先に考えが進まずに、 止まったままでも、オーケイです。 どんなことでも、<疑問?>を持ち続けていると、 必ずいつか、そのナゾが解ける時はきます! たとえば、「人間は死んだらどうなるのだろう?」 「……人間に生まれる前は、どうしていたのだろうか?」など、 どんな疑問でも、これからの人生の中で、解(と)けないコトはないです! 10歳の少年の時のコトでした。 目が覚めて、夜中に、トイレに行きたくなりましたが、 暗闇(くらやみ)が恐くて、なかなか布団から出るコトができませんでした。 電気をつけて明るくすれば、立ち上がって、 すぐに、トイレに行くコトができるのに、 ぐずぐずしていると、少しずつ、 暗闇(くらやみ)になれてきて……特に2階への階段が、 ぼんやりと、明るく、見えるようになってきました。 どこの家でも、電気はたいへん貴重な時代でした。 少年の家の中の電灯も、ぜんぶ消して、寝ることになっていました。 両親が商売をしていたので、外では、 店のネオン街灯(がいとう)は、一晩中、道を照らしていました。 曇(くも)りガラスの窓から、2階の階段に通じる部屋には、 ネオン灯の弱い明かりが、入ってきていました。 階段の所まで、そのうす明かりは届いてきています。 「こわくない! だいじょうぶ!」と思って、 じっと大きく、目を開けていたので、目が重く感じられ、 つよく、目を閉じてみました……。 「ふ・し・ぎ!」〜目を閉じた自分の中が、 みょうに、明るくなっていました。 やがて、まぶしくさえ感じるようになりました。 「不安!」が、突然、わいてきました。 「何が、起きたのだろうか」 目を開けた部屋も、明るい……。 でも部屋の中は、その光のようなものに照らされても、 タンスや、布団に寝ている両親が、見えてくるわけではありません。 不安は、いつの間にか<恐怖>に、変わっていました。 |
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